「賞味期限切れ」が売れる!?食品ロス問題も解決できるビジネスとは?

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夏になると暑くなり、食品の管理状態に気をつけなければいけない季節ですが、皆さんは賞味期限や消費期限に対してはどのようなスタンスをお持ちでしょうか?

スーパーなどで必ず手前に陳列されている食品と奥側に陳列している食品の賞味期限や消費期限を見比べて買い物をしてしまう。
自宅の冷蔵庫の中にある食品では賞味期限や消費期限が多少切れていても見て見ぬ振りをしてさらっと食べてしまう。

そんな繊細さと大胆さを兼ね備えた筆者の私に気になる話題が舞い込んできました。

それは賞味期限切れ専門店が話題になっている!というのです。

堂々と賞味期限切れを売る専門店!?店舗も通販も存在している!?「なんてこった!」

繊細さと大胆さを兼ね備える筆者にとって興味津々の話題な訳です。

どのようにしたら賞味期限切れが売れるのか?
そこには賞味期限と消費期限の違いや、食品ロス問題の盲点を上手く考えたビジネスがあったのです。

今回は賞味期限切れビジネスのからくりをご紹介したいと思います!

◆ 賞味期限と消費期限の違いと気になる問題

似たような言葉ですが、意味合いがやはり違います。

その違いを説明出来る人はなかなかいないのではないでしょうか?

今からご説明するので覚えておきましょう!

賞味期限は、袋や容器を開けずに記載されている保存方法を守って保存していた場合に、品質が変わらず美味しく食べられる期限のことです。

痛みにくいカップ麺やスナック菓子、ペットボトル飲料水の食品は賞味期限が記載されているのです。

消費期限は、袋や容器を開けずに記載されている保存方法を守って保存していた場合に、安全に食べられる期限のことです。

痛みやすいお弁当やサンドイッチやケーキなどの食品は、消費期限が記載されているのです。

勘の良い方はお気づきかもしれませんが、ポイントは安全に食べられる期限と美味しく食べられる期限ということ。
つまり、賞味期限は切れていても食べることは問題がないのです!

ちなみにですが、賞味期限は実際の期間より7割程度短く設定されているのです。
石橋を叩いて渡るタイプといって過言ではなく、要するに安全なのです。

ここで気になるのが賞味期限切れの食品を販売する事は問題にならないのか。
先に答えをお伝えします。法律的に問題なしです。

法律では食品衛生法が関わることになりますが、これは人の健康に害する食品を販売する行為や、食中毒などの食品事故を起こした場合などに関係するもの。

賞味期限切れは健康に害する食品ではないので問題ないのです。
つまり賞味期限の意味合いと法律上のルールをしっかりと把握していなければ出来ないビジネスなのです!

◆ 食品ロスを生み出す日本独自の食品流通の問題

我が国日本は世界的に見ても食品ロスが多いことをご存知でしょうか?
食品廃棄量はアジアではトップ。世界では6位と上位になってしまっています。

また、世界中の飢餓(きが)で苦しんでいる人への食糧援助量は約320万トンと言われています。
日本の食品廃棄量は約620トン。なんとほぼ2倍の量を廃棄しているのです。

なぜこんなにも食品ロスが多くなってしまうのか。
それは日本独自の食品流通のルールが関わっています。

「3分の1ルール」
これは食品メーカーが製造から賞味期限までの期間を3分の1の期間で分けるルールです。

賞味期限が6ヶ月の食品を例にご説明します。
食品流通の流れはメーカーから店舗へ。店舗から消費者へという流れになります。

これを3分の1の期間で分けます。

食品メーカーから店舗に納品期間を2ヶ月、店舗から消費者へ販売期間を2ヶ月、消費者が食品を食べ切るまでの期間を2ヶ月と分けます。

大きな問題となるのは食品メーカーから店舗と店舗から消費者の期間となります。

食品メーカーが食品を製造したけれども、店舗に販売する事が出来ず製造から2ヶ月以内に納品が出来なければ食品は返品もしくは破棄となります。

店舗も同様です。食品メーカーから食品を買い取ったものの製造から4ヶ月以内に販売できなければ食品は返品もしくは破棄となります。

もともとは消費者に新鮮な食品を届けることを目的にこの3分の1ルールが誕生したものの、多くの食品ロスを生み出すことに繋がってしまいました。

消費者の目に入る前の段階でも食品は返品や破棄となり食品ロスとなっていたのです!
つまり食品メーカーは食品ロスの在庫を多く抱えているのです。

◆ 賞味期限切れビジネスは食品を製造するメーカーと消費者にもメリットが!

先ほど、ご説明した通り食品メーカーは多くの食品ロスの在庫を抱えています。
そうなると大変なのが廃棄処分が決まった食品の対応です。

賞味期限切れビジネスはここに目をつけたのです。
賞味期限切れの食品を処分するのには様々なコストが掛かります。

まずは、賞味期限切れの食品を処分費用が掛かります。
さらにそれを運ぶための送料や運賃などのコストとして掛かるのです。

食品メーカーの廃棄処分のコストは想像よりも遥かに掛かるもの。
一般家庭とは廃棄する量とは桁違いなのため1回に数十万円は軽く掛かります。

この大きな負担となるコストが無くなるとしたら嬉しいメリットですよね。
賞味期限切れビジネスはこの廃棄処分しようとしていた食品を買取るのです。

つまり今まで廃棄処分に掛かっていたコストがなくなること。

コストが掛かるどころか廃棄処分しようとしていた食品を買い取ってくれるというのであればなおさら。
賞味期限切れの食品を格安で買取、販売出来るカラクリはここに合ったのです!

また消費者にも嬉しいメリットはあります。
それはシンプルに食品の価格が格段に安く購入できることです。

もちろん、賞味期限切れの食品に対しての考え方は人によってそれぞれです。
気にする人もいれば、全く気にしない人。多少であれば容認出来る人など多様でしょう。

全く気にしない人や多少であれば容認出来る人にとってはニーズがピッタリと合います。

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