携帯料金値下げはいかに?論争の発端と根拠、その全貌をわかりやすく解説

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先日、ドコモが新プランの発表を行い話題になった携帯料金のプラン。

説明を聞いてもピンとこない。

「そういえば4割くらい携帯料金が下がるとか聞いたあるけど、どうなったの?」

と思っている方もいるのではないでしょうか?

また、格安スマホの方が安くなると聞いているから、大手キャリアから格安スマホに変更を視野に入れている方もいるのではないですか?

政治家の携帯電話の料金についての見直しを促す発言もありましたね。

いったいなぜここまで携帯料金について話題になっているのでしょう?

また、そこにはどのような思惑があるのでしょう。

◆携帯料金の値下げは政治の戦略が絡んでいた!?

先月、政府が携帯料金の値下げに向けた電気通信事業の改定案が国会に提出された事はご存知でしょうか?

昨年に、菅義偉官房長官が大手携帯電話会社各社に対し、現在の料金プランは高すぎるからもっと値下げをするようにと強く要請。

そこから大きな動きが出た事になります。

なぜこのタイミングでこのような事が起こったのでしょうか?

実は以前にも携帯料金の値下げについて発言がありました。

それは2015年です。その年に何があったのか?

政治にとって大きなイベントである、
自民民主党総裁選挙です。

その時は、
安倍首相自ら「携帯電話の家計の負担軽減は大きな課題だ」と発言し話題を呼びました。

そして更に話題となっている今年、2019年に何があるのか?

それは参議院議員通常選挙が予定されています。

ピンときませんか?

つまり、政治家は料金の値下げをアピールする事で国民の人気を獲得しようとしているのではないかという説もあります。

今年は10月に増税もあるので尚更でしょう。

果たして政治家の思惑通り、携帯電話の料金は本当に安くなるのでしょうか?

日本と海外との携帯料金との比較

政治家が主張する日本における携帯電話料金が高すぎるという根拠。

それは海外の携帯電話料金との差が挙げられています。

経済協力開発機構、通称OECDが調べた結果、日本はOECDに加盟している国々における携帯電話料金の平均の、およそ2倍に当たる料金がかかっていることがわかったのです。

これを根拠として、政府は大手携帯電話会社各社に、もっと安い料金プランを作るように求めました。

さらに新規参入事業者が、通信料金が高くなるスマートフォンの利用をより安く利用できると証明した。

いわゆる格安スマホの登場が、政府が大手携帯電話会社に対し、もっと安くできるはずだと迫る理由となっていると言えるでしょう。

出典:総務省
 

携帯料金が安くなるならうれしいものの・・・

大手キャリアを利用し、毎月の携帯電話料金を高いと感じている人は少なくありません。

実際のところ、安くなるなら大歓迎というのが本音だと考えられます。

とはいうものの、もしも携帯料金を引き下げることでサービスの低下を招くとしたら、本末転倒と感じる人も出てくるでしょう。

携帯料金が高いことを理由に格安スマホに移行した人の中には、実際に移行してみて初めて、大手キャリアの通信速度がいかに安定して速いかを実感するケースが少なくないのです。

キャリア各社が思い切った値下げを打ち出してきたとしたら、料金を少しでも抑えようと格安スマホに移行したそれまでのユーザーは、同じ料金なのに低品質に甘んじなければならなくなり、また大手キャリアに変更しようとするのは明らかです。

そうなれば、今度は格安スマホ会社の運営が成り立たなくなり、満足しているユーザーがいるにもかかわらず、経営困難でサービス終了といったことも起こる可能性が生じてしまい、混乱を招く火種をかなり含んでいると言っても過言ではありません。

また、楽天が2019年10月より第4キャリアとして参入が決定しています。
政府としても楽天の新規参入により、さらに競争が激しくなり携帯料金がさらに下がる事を期待しているようです。

大手キャリアが取っていくと考えられる選択肢

政府はこれまでの料金よりも4割引き下げるようにと求めていますが、携帯電話会社はユーザーを増やし、利用料金によって収益を上げているわけですから、そう簡単に値下げに踏み切るわけにはいきません。

また、端末料金0円といった極端な値下げをやめるようにということも、政府は合わせて要請しています。

確かにこれら料金プランはわかりづらく、ユーザーにとっても不満の種となっていました。

そのため、携帯電話会社各社は政府の要望よりも、ユーザーの不満解消に力を注いでいくと考えられます。

4割安くなったことでサービスの低下を招くのではなく、現在の料金プランであってもお得だと感じるサービスの提供を打ち出す方へと、かじ取りを変えていくわけです。

このサービスにならお金を出しても構わないと感じるユーザーは、そのまま大手キャリアに残りますし、何よりも安いのがいいという人は格安スマホへ移行するでしょう。

その結果、大手キャリアと格安スマホとが共存し、選択の自由はユーザーに委ねられる事になるのではないでしょうか。

まとめ

携帯料金の値下げには政府の思惑が見え隠れしているようです。

消費者の私たちも、ただ値下げされれば良いとするのではなく、このような様々な背景を理解していく事が大切なのではないでしょうか。

その中で、自分に合った携帯を選択していく事が納得した消費に繋がるように思います。

今後も続くと思われる政府と携帯キャリア各社の駆け引きに注目していきたいですね!

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